ダルビッシュ選手が治療したトミー・ジョン手術と投球制限の関係

ケガを知る, 代替医療, 西洋医学

出典:http://surippa78-blog.blog.so-net.ne.jp/2015-03-12-1

メジャーリーガーのダルビッシュ選手が治療して更に注目を浴びているトミー・ジョン手術。損傷した靭帯を切除し、反対側の手や下腿、臀部などの正常な腱の一部を摘出、移植する手術のことです。1974年にフランク・ジョーブによって考案され、初めてこの手術を受けた投手トミー・ジョンにちなんでこう呼ばれています。この手術を受けた人は複数回を含め、述べ900人を超えているとのこと。これだけ多くの人が手術をしているというのは、少し異常な気がします。また、投球数が肘に過度に影響を与えているのではないか?という話も出てきています。投球数についてはダルビッシュ選手も疑問をいだいており、「中4日は絶対に短い。球数はほとんど関係ない。120球、140球投げさせてもらっても、中6日あれば靱帯の炎症もクリーンに取れます」とのコメントを残しています。この発言は現役選手としての「感覚」の発言で、科学的に分析されているものではないのかもしれませんが、選手自身の「感覚」はデータ云々は別として非常に重要だとおもいます。

ここでは、各項目について考えてみたいと思います。

 

1.投球数との関係

2.投球フォームとの関係

3.肘のケガとどう向き合うのか

 

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出典:日刊スポーツ

1.投球数との関係

「子どもの体は発展途上。一番リスクが高いのは一年中、野球をすること。1試合や年間の投球数が多く、酷使により負傷する。年に最低2か月は野球をやらない期間を設けるべきだ」

情報源: 肘手術の権威「ヒゲそるまでカーブ、高3までスライダー投げるな」 : 野球 : スポーツ報知

 

投球数については以前、methodでも紹介した記事も参考にして下さい。
【子供を守れ!投球制限】あなたのチームは守れていますか?
近年、子供の頃から「将来、この子をプロ野球選手にしよう」「プロゴルファーにするなら小さい頃からやるべきだ」という考えの親も増えてきていると思います。少年野球のチームでも人数が少なく、ピッチャーの人数が足りないなんて話も多くなってきているようです。プロで手術をしていた選手の60%が子供の頃に肘の怪我をしたことがあるといいます。小さい頃から英才教育として同じ競技を続けることが果たして良いことなのでしょうか?小児時期は体がまだ出来上がっていない状態です。骨も成長しますし、靭帯や腱だって同じはずです。その時点で過剰な負担が増えてしまっては怪我のリスクは高まるのは当然です。子供の頃は一つのスポーツに固執することなく、様々な種目を経験しておくことも大事なのではないでしょうか?「今週が大事な試合だから!」と、子供に無理をさせてそこで壊しては元も子もありません。ジェームスアンドリューズ医師のインタビューでもこのような記載があります。

―予防で大事なのは。

「安全な投球制限に従うこと、プロのような投球をしないこと。15歳が145キロを投げれば1球でじん帯が断裂する可能性もある。カーブやスライダーは正しいフォームと神経、筋肉のコントロールが必要で、未発達な子どもには早い。私はひげをそるようになるまでカーブは投げるなと言う。肘に負担がかかるスライダーは、高3まで投げるべきではない」情報源: 肘手術の権威「ヒゲそるまでカーブ、高3までスライダー投げるな」 : 野球 : スポーツ報知

投球制限については議論がつきませんが、肘にせよ膝にせよ、使いすぎで摩耗していくという事は誰でもイメージは出来るはず。また、球種によっても負荷のかかり方は異なるようです。変化球を子供の頃に多用するのはかなり危険なようです。

 

2.投球フォームとの関係

ジェームズ・アンドリュースを始めとする整形外科医やシカゴ・ホワイトソックスで投手コーチを務めるドン・クーパーを始めとする球界関係者らは「靭帯損傷の最大の原因は投球フォーム」と主張している。

特に、両腕の肘が両肩よりも上になる逆W字型の投球フォームが肘へ悪影響を与えると言われており、グレッグ・マダックスの様に利き腕と反対側の肘が肩よりも上にならない投球フォームが理想と言われている。逆W字型の投球フォームは身体に比べて腕が遅れて出てくるため、下半身等へ力が分散されることなく肘にダメージが集中してしまうと考えられている。

出典:wikipedia

肘に負担がかかる投球フォームというのもかなり影響はあるようです。日本では近年、4スタンス理論という概念が定着しつつあります。ご存じない方はこちらの記事を参照下さい。
マツコの知らない世界でも紹介された!4スタンス理論ってナンだ?
4スタンス理論ではAタイプとBタイプでは「Aタイプは手首と肩が動き」「Bタイプは肘が動く」という考えがあります。指導者は自分が今まで習ってきたフォームが正しいと思ったり、自分の好きな選手のフォームが絶対という考えを持っている方も多いです。しかし、4スタンス理論の考えでは人間の重心は4タイプあり、できることとできないことがそれぞれ異なると言います。Aタイプの人は手首での動きが得意なのに、Bタイプは手首での動きが苦手なのです。これは生まれつき持った特性ですので変えることは出来ません。自分がどのタイプなのか分からないにしても、自分にあった「投げやすいフォーム」が必ず存在します。しかしそれは他の人が出来るのかというと必ずそうとは限らないのです。

肘の専門家が「悪いフォーム」としてあげた「両腕の肘が両肩よりも上になる逆W字型の投球フォーム」というものは避けたほうが良いと思いますが、「良いフォーム」は人それぞれ異なりますので指導には注意が必要です。

 

3.肘のケガとどう向き合うのか

ダルビッシュ選手はリハビリを行っており快方に向かっているようです。しかし、可能であれば肘の手術を行わないで現役を続行できていれば一番良かったのは言うまでもありません。子供の頃に負担が増えないように注意することは大切ですが、ケガをしてしまったらそんな事言ってももう遅いですよね。ではどうケガと向き合うのか。当たり前の考えですが、中々受け入れない人も多いので覆らない事実を書きます。

 

 

1.ケガはすぐには治らない

2.ケガを治すには休むこと

3.ケガをしないようにする

 

何を当たり前の事を言っているんだと思うかもしれませんが、現実を受け入れない人は多いものです。

 

1.ケガはすぐには治らない

ケガをしてしまって、病院や接骨院等で治療を行う人がほとんどだと思いますが、「薬で治るのではないか」「電気治療で治るのではないか」「他にも治療法はあるのではないか」このように考えるのが当然かと思います。しかし、「急いで治るものではない」という事実を再度理解する必要があります。焦って治療を行っていてもいいことはありません。焦りがプレッシャーになってしまい、精神的にも痛みに関して敏感になってしまうことは研究の結果としても出ているのです。ケガをしてしまってもじっくりと治療を行うことが大切です。

 

2.ケガを治すには休むこと

すでに記載したとおり、肘のケガは使っている限りは治りません。それよりも使いながら治療をしていても治りが遅くなるどころか、悪化してしまうことも。トータルでケガを早く治したいのであれば思い切って休むことも大切。今の自分の状況を考えて肘を休めてあげることも大事なのです。たとえ痛み止めを打っても、それは「痛みを止めているだけ」です。効果が切れてしまえば症状が進んだ肘とまた向き合うことになります。

3.ケガをしないようにする

痛めてしまったら、何が原因なのかをしっかりと見6極めることです。練習量が多かったのか、投球数が多かったのか、フォームが悪かったのか。トミー・ジョン手術を行った人の60%が子供の頃に肘のケガをしています。なぜそのケガが起きてしまったのかを考えましょう。分からなければスポーツドクターやトレーナーに相談して原因を突き止めましょう。

 

 

トミー・ジョン手術について簡単に説明いたしましたが、ケガについてもしっかりと向きあう事が大切です。あなたの目標としている物を達成するには、ケガをしていては達成できる確率はグンと下がってしまいます。トレーナーや医療従事者も肘のケガについて考え、対処法、アドバイスについても的確にできるようにしましょう。10年、20年後も同じ状況の野球界だと、「肘が壊れてしまうから野球はやらない」という考えも出てきてしまうかもしれません。

 

あなたは今からどう行動しますか?

 

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